テーマ:読書

7日間ブックカバーチャレンジ ⑤(「街道をゆく」司馬遼太郎)

 勤めだして最初に仕えた上司が司馬遼太郎をよく読んでおられた。  ちょうど「翔ぶが如く」から「坂の上の雲」を読み進めておられた頃かしら。 「どう思う?」  と聞かれたが、読んでもいないので、 「よく分かりません」  と答えた。  だが本当はゼミで、 「司馬など論外」  という空気に染まっていたからだ。大学での司馬遼太郎の…
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7日間ブックカバーチャレンジ ④(「ブラハの春 モスクワの冬」藤村信)

 1968年のチェコ事件や「5月革命」からヨーロッパの社会主義陣営で起こり始めた自由化への歩みは一進一退だった。  その意味を丹念に分析したのが、パリ駐在の中日新聞記者、藤村信さんだ。  岩波の「世界」に掲載された「パリ通信」は世界がどうなっていくのかを今、考察していくというスリルに満ちた試みである。 「歴史とは歴史家と事実の…
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7日間ブックカバーチャレンジ ③(「ハーメルンの笛吹き男」阿部謹也)

 大学へ入り、専攻は西洋史にした。  一学年、10名である。  西洋史と言っても範囲は広うござんす。  10人の学生が勝手な国と時代を決める。専門課程の先生は4人。イタリア近代史、ドイツ中世史、ドイツ現代史、イギリス近代史が専門の先生がいて、教養からフランス近代史、ローマ史の先生が手伝いに来られる。  それ以外をテーマにするなら…
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7日間ブックカバーチャレンジ+ (「戦争と平和」トルストイ)

「次郎物語」も「ジャン・クリストフ」も長編だ。高校時代は長編でないと小説ではないような心境で本を選んでいた。「魅せられたる魂」「チボー家の人々」などと進み、長いからという理由だけで「静かなドン」「戦争と平和」「復活」「悪霊」「カラマーゾフの兄弟」なども読んでいた。最近では話題にならなくなった芹沢光治良の「人間の運命」も読んでいた。 …
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7日間ブックカバーチャレンジ+ (「どくとるマンボウ青春記」北杜夫)

 中学のときに英語塾に通っていた。  先生は当時、京都のR大学の学生で、本人曰く、 「僕はノンポリ」  勉強の合間に時事解説のように大学で起こっている学生運動の話をしてくださった。専門用語だけは覚えたが、中身はなにも理解していない。  先生は登山家でもあった。  新田次郎の「孤高の人」を勧めてくださった。  ご本人も単独…
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7日間ブックカバーチャレンジ ②(「現代日本の開化」夏目漱石)

「こころ」も高校の教科書から入った。  魅了されて「三四郎」まで遡り「明暗」まで読んだ。参考に読んだのが江藤淳の「夏目漱石」だ。暗い漱石像だった。 「あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない。ところがその富士山は天然自…
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7日間ブックカバーチャレンジ+(「ジャン・クリストフ」ロマン・ロラン)

 高校生になってすぐ親しくなったのが作曲家を目指していたKである。  ほぼ毎日、帰りが一緒だった。下校道の途中で楽器店に入り、 「これ知ってるか?」  とわたしに言ってはショパンやベートーヴェンやモーツアルトを弾いた。  ある日、当時のわたしには騒音の塊にしか聞こえない曲を演奏した。 「プロコフィエフの6番」  とK…
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7日間ブックカバーチャレンジ ①(「次郎物語」下村湖人)

「毎日1冊、7日間。お勧めの本をブックカバーの写真をあげてFBに掲載しないか?」  と友人から誘われた。  流行っているらしい。  コロナで外へは出にくいし、暇つぶしにやってみようと参加した。  最初はあれか、これかと悩むのが楽しかった。  5日目から真剣に考えた。  結局、わたしがあげた7冊は、今のわたしを作った本…
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朝食の問題~山の上ホテル

 先日、山の上ホテルからメールが来て別館を6月末で閉鎖する、という。  2度しか泊まったことがないのにご丁寧なことである。  別館では洋朝食を食べた経験しかないが、なかなか美味しいアメリカン・ブレックファーストをいただいた。  洋食の場合、朝食にはアメリカンとコンチネンタルがあると知ったのは大学生の頃だったろうか。ウィーン…
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マイク・モラスキー氏のひとり酒

 米国人が日本の居酒屋を誉めている本である。  「日本の居酒屋文化~赤提灯の魅力を探る」(光文社新書)  マイク・モラスキー氏は一橋大学や早稲田の先生を勤めた社会学の先生である。わたしよりふたつ下だが、酒の呑み方では好みがぴったり合う。  「ひとり酒」というのは評判が悪い。  わたしはよくやるのだが、それをいうと…
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ユーミンの罪(後)

 ませた少女だったに違いない。  第3作の「コバルト・アワー」は荒井由美の生活感のなさにあきれかえるアルバムだった。  とりわけ「ルージュの伝言」はどう考えても、歌い手である主人公と、彼と彼の母親の関係に理解が及ばなかった。  フォークの世界でこそ同棲生活は成立しているが、荒井由美の世界に「それはなかろう」と思って…
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ユーミンの罪(前)

 なんともたいそうな題名にひかれて、思わず買ってしまった。  個人的には、ユーミンは荒井由美の頃が一番好きで、松任谷由美になってからは離れてしまった。  この本はユーミンの数あるアルバムの中からエポックメーキングなものを取り上げて、時代精神を解き明かしてゆく。  ちょうど、年末に陽水の特集をNHKがやっていたが、そのユ…
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「出雲と大和」~ひょっとして岩波新書のベストセラー?

 今回はヤマトの話ではない。   最近面白い本はないか?とたずねられるとお勧めしているのが村井康彦著「出雲と大和」(岩波新書)である。  こんなに先が気になってどんどん読めた岩波新書は「 失われた大陸―アトランティスの謎」以来かも。  ということは最初に読んだ岩波新書以来ということか。  この本は1月末に店頭に並ん…
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男の小説

 丸谷才一さんが亡くなられて二ヶ月たった。10月13日だった。  毎日新聞の書評は先週の日曜から恒例の年間版「この3冊」を始めた。丸谷さんの推薦をもう見ることは出来ない。最高の対談の相棒である山崎正和さんは何をもってくるだろうか?  わたしが読んだ、丸谷さん最後の小説は「持ち重りする薔薇の花」。  月刊「新潮」の…
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「この八分音符にはニコチンが足りない」~クライバーのドキュメンタリー2作

 丸谷才一さんはクライバーが好きだ。  ほとんど、確信している。わたしは丸谷さんが好きなので氏の好きなものもかなりの確率で好きになる。好きなものの趣味が一致するとうれしい。  丸谷さんがカルロス・クライバーについて書いている文章は二編、読んだことがある。ひとつは「青い雨」に収録されている「マエストロ!」。いまひとつは昨年…
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ゴジラの研究(後)~へりくつ

 ゴジラは「南海に眠る英霊」の象徴、という指摘を初めて読んだとき色々な疑問が氷解したような気になった。  赤坂憲雄の指摘だった。  ゴジラは晴海通りから銀座を進む。まっすぐ行けば皇居にぶつかるはずなのに、何故か国会議事堂や首相官邸を襲う。東京に上陸してもゴジラは皇居を襲わないのだ。これを僕は長い間、皇居を映像化する…
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天ぷらにソースをかけますか?

 はい、かけていました。  最近はしないけど・・・。  こういう題名の文庫本が出た。日経で連載されていた(?)「食べもの新日本紀奇行」を大幅に加筆修正して新潮社から最近発売された。どうして「日経で連載されていた」に(?)がつくかといえば、実は日経の紙面で見た記憶がないからである。僕はNIKKEI NETで読んでいた。今は…
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酒 肴 酒

 「行きつけの店」を書いたのは山口瞳。  「食通知ったかぶり」は丸谷才一。  全国各地の店を紹介している。住んでいる地元の人間でも知らない店は沢山ある。読んでみて行ってみたい、食べてみたいと思わせるには文筆家の力量が問われる。小説で一番難しい表現は「食」だという。  トルストイの「アンナ・カレーニナ」には牡蛎を食堂…
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1875年ロンドンのコンサート

 アーネスト・サトウといえば「一外交官の見た明治維新」(岩波文庫)を著した英国人である。  教科書にも出てくるから名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれない。  「龍馬伝」に登場するかどうかは知らない。  グラバーが出てくるのは間違いなかろうが。。。  サトウの日記を基に萩原延寿は「遠い崖」(朝日文庫)という壮大な歴史…
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ポリーニ

 前にあげた「クラシックCDの名盤」の3人の評論家はポリーニに冷たい。  宇野氏は「そやろなあ」と想像もつくが、あとの二人も全然評価していない。旧版から書き足していないのもポリーニに気の毒な感じがする。そんなに嫌い?  ここで書かれているまでポリーニが無機的だとは思わない。  それにポリーニには無機的であることを意識し…
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新版 クラシックCDの名盤

 かれこれ10年ほど前に文春新書で「クラシックCDの名盤」という本が出た。  宇野功芳、中野雄、福島章恭の3人の批評家がそれぞれにお勧めの演奏を紹介するものだった。この本、僕も買ったのだが、推薦盤には廃盤もかなりあった。いくら推薦されても買えないものはしかたない。よく売れたようだ。去年、新版が発売された。10年もたてば新しいC…
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