「幸福の一皿~スパゲティ・アメリカン

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 生まれて初めてピザを食べたのは大学生になったばかりの頃だった。

 あぁ~、ほとんど40年前だ・・・

 宝塚の「アモーレアベーラ」へ先輩女子に連れて行ってもらった。ヅカファンの彼女にとってこのお店は、
「ひょっとしたら憧れのスターにお会いできるかもしれない」
という期待をかなえてくれる店だと説明してくれた。
 当時、ピザはまだ一般に知られておらず、ここぐらいでしか食べることが出来なかった。

 出てきたピザをみて
「イタリアのお好み焼きですね」
 といったらにらまれた。
「熱いから気をつけて」
 と云われたが、しっかりチーズで舌を火傷した。

 当時はチーズを美味いとは思わなかった。
 学生の分際で行くようなお店でもなかったので2度目はかなり後のことになった。

 大学も仕事も神戸だったからその後イタリア料理を食べる機会は何度もあったが、そうなると逆にピザを注文する回数は減った。最近はビヤホールでしか食べていないのではないか。

 いや、今回の話はピザではない。

 ミートソースである。

 先日、BS朝日の「幸福の一皿」という番組を見ていたらスパゲティのミートソースは「アモーレアベーラ」が発祥の店だと紹介していた。

 ん!

 そうだったのか!

 好みは先にナポリタン。次いでミートソースである。

 「アモーレアベーラ」のミートソースはまったくノーマークだった。

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 そこで30年ぶりぐらいに「アモーレアベーラ」」を訪れてミートソースを注文した。放映以来、注文が増えているとか。
 テレビでの紹介によれば、ミートソースは進駐軍の兵隊の好みに合わせて創作された料理で、最初は「spaghetti with italian sauce」という名前だった、という。
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 名前を変えたのは進駐軍が撤退し、麺を茹で置きから茹でたてにしてからだ、とか。

 一方、ナポリタンの発祥の店は、この番組によれば横浜の「ホテル・ニューグランド」だという。
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 たまたま最近、横浜へ行く機会があったのでこちらも訪れてみた。
 番組によれば、米軍の兵隊食であったスパゲティは、茹でた麺にトマトケチャップをかけただけのものだったが、「ニューグランド」の料理長が工夫を加え、「ナポリタン」と命名し提供を始めたらしい。
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 「アモーレアベーラ」のミートソースも「ニューグランド」のナポリタンもともに懐かしい味である。
 思い出を食べているようなもので、この値段に高い安いはないのであるが、1,500円から2,000円の間というのは絶妙の値付けかもしれない。

 それにしても面白いのは、この2種類のスパゲティは戦後、日本だけで発達したもので本場イタリアにはない、という点である。
 さらに、その原点が米国進駐軍の兵隊食にあるということも興味をひく。

 この辺の話を「パスタでたどるイタリア史」(池上俊一著)では
「第2次世界大戦後、アメリカ進駐軍がピザやスパゲティを食べているのを見た日本人コックがまねをして、アメリカ式のミートソーススパゲティやナポリタンを作り始めたのです」
 とあっさり書いている。

 してみると、アメリカには今でもミートソースやナポリタンの原型があるのかもしれない。
 あちらでそういうものを食べようと思ったこともなければ、体験もないので、日本の洋食スパゲティをスパゲティ・アメリカンと呼んでよいのかどうかは確証がもてないのである。

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