居酒屋放浪テレビ

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 最近、居酒屋モンのテレビは「吉田類の酒場放浪記」ぐらいしかない。

 太田和彦さんの「居酒屋紀行」は実に絶妙の番組で、見ている側の邪魔をしないところが好きだった。
 見ていて邪魔にならないというのとは違う。ぼそぼそと何を云ってるのかよく分からないのもよかった。
 積極的にテレビを見ているわけではないときによい番組だ、という意味である。
 太田さんの文章を読むと、なかなかシャープなひとだと分かるのだが、映像ではとぼけた味しか出てこない。これが贔屓にしていた理由である。

 食事のときなどはニュースでなければあたりさわりのないものを流しておくことが多い。自然、旅モンをかけることになる。しかしあれもタレントがキャアキャア騒ぐとうるさくなって嫌になる。

 吉田類さんの番組を知ったのは悪名をはせた「食べログ」のおかげだが、BSで今、流れているのがありがたい。
 太田さんとは明らかに異なるテイストを狙っていると分かる。画面は明るく、類さんも饒舌で、店主それにお客さんを巻き込んでの会話を構成の柱としている。それに取材場所は圧倒的に東京ローカルである。大阪から眺めているとおよそ行く機会のない、つまり実用的ではない居酒屋の光景を見ているのだがときどき「こういうタイプの店には入ったことがないな~」と思うことがある。
 竹橋の屋台などは大変ユニークだった。あそこで毎日新聞の記者が夜毎、反省会をしているなら今どきはさぞ寒かろうと同情した。

 吉田さんの「酒場放浪記」は5冊も本が発売されているので、1冊目と5冊目を買ってきた。わしも数年ほど東京に勤務していたことがあるのだが、行ったことがあるのは銀座の三州屋、一軒だけだった。吉田さんの訪問先にまだ神戸には登場していない。

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 そんな話を同僚にしていたら「この本はご存じ?」と1冊の赤い本を貸してくれた。
 それが中村よお氏の「肴(あて)のある旅」である。
 題名がいいね。

 中村さんは神戸の人なので紹介されているのは阪神間のお店が中心。通っている店もそこそこあるが、泣けたのは「閉めた店」の思い出が語られているところ。なかにはわたしも通いつめた店があった。

 おっちゃん、おばちゃん。こんな風に惜しまれていることを知っているかしら。

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