最後の一枚~富山の白エビ

 飛弾古川から富山へ向かっている。

 ちょうど昼時に着く。
 駅周辺で美味い寿司屋を知らないか?
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 こちらに嫁いだ元・部下にメールを送った。
 返信が来ていた。

 「ネットで調べたら『M四郎』が良さそうです」

 こちらも場所を探すために携帯で調べてみる。
 点数は5点満点で2.8ぐらいである。
 このサイトでは新参者らしく情報が少ない。

 とりあえずのぞいてみる。
 やっておる、やっておる。
 個室が多い高級そうな店である。
 賑わっておる。
 しかし、だ。
 昼飯に最低2,100円からというのは高すぎる。
 店員が「満席です」というのを幸い、違うところへ行こうと決めた。

 さっき、調べていた際に見つけた寿司屋がよさそうであった。
 ところが、その別の店は弁当屋。
 電車に乗っていないのに弁当を食うのも馬鹿馬鹿しい。

 さて、どうするか。
 と考えるのも面倒なほど、今日の富山は暑くて湿気が多い。
 少しでもましか、と思って潜り込んだ地下道は冷房もなく、余計に湿気がひどい。
 地上へ出たら、なんだかかっこよい市電が止まっていた。
 未来っぽい電車なので冷房も効いていそうだ。
 行き先を見たら日本海へ出る。値段は均一で200円である。
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 よし、のった!

 日本海まで出たらもっと安い寿司屋があるに違いない。 

 終着駅は岩瀬浜という駅だった。
 海水浴場である。
 思えば、これまでの人生で富山湾を見たことがない。
 人生の何かが欠けているような気がした。

 そこで海水浴場まで歩いた。

 くそ暑い。

 年配のご婦人が二人、日傘をさして前を歩いている。
 結局、海水浴場まで一緒だった。
 どうして年配のご婦人が二人で仲良く季節外れの海水浴場に行くのか。
 考えてみてもしかたがないのだが、暑いせいか、気になる。

 おぉ!海だ。
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 風が強い。
 白波がたっている。
 貨物船が一隻、何をしているのかしらないが、沖に停泊している。
 左右を見渡しても、能登も見えなきゃ、立山連峰も見えない。

 そうか、これが富山湾か、日本海か。

 見るべきものは見た。

 踵を返した。

 靴の中に砂が入るのは気持ちが悪いからゆっくり歩いた。
 いったい砂はなにを考えて靴の中に侵入するのだろう。

 さて、寿司屋である。
 「イチロー亭」という何をしているのか分からない店があったが閉まっている。
 「白エビの里」だという幟がたててある。
 しかし寿司屋はどこにもない。
 
 岩瀬浜駅まで戻る途中で、鉄族からメールが入った。
 
「富山駅の駅そばは是非食べてほしい。かきあげそばがうまい」

 よし、かきあげそばも食ってやるが、寿司屋はないのか?
 海水浴場だろ?
 
 ちらりと会館のようなものが見えたのでそこを目指す。
 土産物屋の集まった会館で、ここでやっと寿司屋をみつけた。

 迷わず入って、生ビールと白エビ付き海鮮ちらしを頼んだ。
 白エビ付きにしたとたん、昼飯には高すぎる2,100円ラインを突破した。
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 白エビにさしたる執着はない。
 地元に敬意を表したまでである。
 だいたい地元に敬意を表すると高くつく。

 ビールを飲んで愉快な気分になったので、仕事中の下駄男にメールを送った。
 「白エビたっぷりの海鮮ちらしを食ってます。次は白エビの入ったかきあげそばです」

 今日は仕事中なのか、返事は返ってこなかった。

 富山駅に戻ってホームで「かきあげそば」を食った。
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 海鮮ちらしを食ったあとなので苦しい思いをして食べた。
 このあと、各駅停車で大阪まで戻るので「富山湾弁当」も買った。
 ここにも白エビの入ったかきあげが入っていた。
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 富山湾弁当は敦賀の手前で腹に押し込んだ。
 途中、駅弁が買えなかったらどうしよう?
 そういう心配をしてついつい買い込んでしまうのである。
 意地汚い性分である。

 今年の夏の青春18切符、最後の一枚はこうして終わった。

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