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zoom RSS プロコフィエフは謎の人

<<   作成日時 : 2010/09/13 20:00   >>

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 プロコフィエフとショスタコーヴィチが好きだ、というと大抵の人は怪訝な顔をする。

 40年ほど前に「マーラーがええねん」と言ってた頃も「?」な顔をされた。マーラーは「やがて私の時代が来る」と言い残して死んだ。その言葉は実際その通りになって、今どきはマーラーを話題にしても誰も「変な趣味」とはいわない。

 マーラーが大ブームになった頃、次に来る作曲家は誰だ?というテーマで書かれた本にはショスタコーヴィチが予想されていた。これもその通りになって、今やショスタコーヴィチは交響曲全集も弦楽四重奏曲全集もいくつも出ている。

 ところが、プロコフィエフだけはまだブームがやってこない。

 まあ、別に来なくても不便ではないのだが、一旦、火が付くと色んな演奏家が録音をしてくれるので、それで新しい解釈なども登場し楽しみが増える。

 兆しはあるような気もする。フィギュアスケートの曲にはプロコフィエフのがよく使われている。「ロミオとジュリエット」は定番。オリンピックのあとには、使われた曲を集めたCDも発売されていた。しかし爆発的に売れたという話は聞かない。どこか、おどろおどろしい雰囲気があるから、次から次へとついて行きにくい作曲家なのかもしれない。

 今は閉鎖されてしまったが「クラシック招き猫」というクラシック専門の板があって、ここで「プロコフィエフは謎の人」というスレッドがたったことがあった。あんまり盛り上がらなかった。

 最近よく聴いているのが交響曲第5番(1944年)。副題はない。夏場、暑いときにはいい。イメージとしてはキルギスの高原に吹く涼風なのだが、終楽章はめちゃくちゃメカニカル且つクール。ユーモラス且つグロテスクなリズムに心が躍る。どこかショスタコーヴィチの10番の交響曲に似た雰囲気を持っている。10番は1953年作曲だが、5番はこの曲を先取りしている様に聞こえる。演奏はベルリン・フィル。指揮は小澤征爾である。小澤が全集を出している交響曲の作曲家ってマーラー、ブラームス、ベートーヴェン、プロコフィエフぐらいかしら。それでいえば、小澤のプロコフィエフへの関心の高さが分かる。

 この5番、ベルリン・フィルとの組合わせだからこそ、面白く聴ける演奏だと思える。かなり精度の高いアンサンブルでないと、この曲の面白さは表現出来ない。プロコフィエフの面白さというのは、ピアノ曲でもそうなのだが、忘我の境地でメカニカル且つ精密、正確に演奏することで生じてくる場合がある。ベルリン・フィルを駆使したからこそ出来た名演奏だ。ポリーニの演奏したプロコフィエフの7番のソナタを聴いていると想像出来るのではないか。機械のように演奏することで生じてくるある種、目眩にも似た恍惚感に、ひとは浸ることもある。ひとは歯車に徹することも出来る。それを全て「疎外」と蔑むのは如何なものか。歯車には歯車で動いている快感だってあるのだ。

 5番の面白さにあらためて気がついたのは、サブシステムENIGMA2.0にYAMAHAの小さなスピーカを繋いだときだった。実に多彩な音色が登場する。それまで音色の面白さにはほとんど気がつかなかったのだが、小さなYAMAHAのスピーカが実に見事に色彩の変化を伝えてくれる。MenuetUのときには全く気がつかなかったのに。

 試しに同じCDをARCAM+Harbethのシステムでかけてみると、いい音ではあるが色彩の変化がサブシステムほどには顕著に表れない。

 そこで乏しい経験から考えた。個性的な機器に個性的な機器を組み合わせるのは素人には難しい。ENIGMA2.0+MenuetUはまさに難しい組合わせだった。無個性、といっては悪いがYAMAHAの小さなスピーカは無個性だからこそ、ENIGMA2.0の個性を活かす鳴り方になったのではないか、と。予算が乏しければ一点豪華主義に徹するのもひとつの方法かもしれない。スピーカにウェイトをかけたのなら、アンプやプレーヤは辛抱する。逆もあり。

 今は、ENIGMA2.0の長所がよく出た組合わせになっていると思う。

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