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zoom RSS 坂崎紫瀾

<<   作成日時 : 2010/07/14 23:26   >>

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 NHK版「龍馬伝」の第1回目に岩崎弥太郎に取材する新聞記者が登場する。

 坂崎紫瀾という。

 この人が坂本竜馬を最初に小説にした人、と言われている。
 その題を「汗血千里駒」という。

 土佐の人である。明治維新に多少の働きをした論功行賞で信州松本の判事になったが、自由民権運動が起こると判事を辞めて、弁士になり松本を中心に民権論を煽った。松本新聞、高知新聞、土曜新聞、自由新聞など全国の新聞社を転々としながら自由民権論を張った硬骨漢である。

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 「汗血千里駒」は明治16年(1883年)1/24日〜9/27日まで土曜新聞に64回掲載され、完結した。紫瀾はその前年、集会条例による不敬罪で重禁固三カ月、罰金二十円、監視六カ月の判決を受けた。この間に「汗血千里駒」が執筆された。評判を呼び、大阪でも出版されたという。文体は美文調で今、読むと少し気恥ずかしい。講談を聞いているようである。筑摩書房の「明治文学全集」のなか、「明治政治小説集(一)」に収録されている。また岩波書店の新日本古典文学大系(明治編)の「政治小説集(一)」でも読める。岩波版はまだ入手出来るだろう。
 「汗血千里駒」を現代語訳したものが「真龍馬伝」である。これは流石に読みやすい。「真龍馬伝」も最近、発行されたばかりなので入手できる。

 これを読むと面白いことが分かる。

 例えば、NHK版「龍馬伝」や司馬遼太郎の「竜馬がゆく」で、竜馬が恋仲に陥る千葉道場の娘「佐那」、「さな子」は、「汗血千里駒」では「光子」という名前になっている。
 また、平井収二郎の妹「加尾」(広末涼子)は「汗血千里駒」には登場しない。「加尾」と思しき女性は「竜馬がゆく」では「田鶴」という名前で登場する。土佐出身で、京の三条家に仕える侍女である点は同じだが、家老・福岡宮内の妹の設定になっている。
 「加尾」は坂崎紫瀾が後に執筆した「維新土佐勤王史」には次のように紹介されている。
「隈山(=平井収二郎)には一人の妹があり、名を加尾という。安政六年十二月、容堂の妹である友姫が(三條)実美の兄=公睦に嫁いだとき加尾も友姫の侍女として三條家に来た。公睦が亡くなって友姫が未亡人となり信受院と名乗るようになっても尚、彼女に仕えていたが、昨年の十一月、隈山に代わって父母に孝養を尽くすために帰郷した」
 「加尾」は実在の人物であり、彼女をモデルに司馬遼太郎は「田鶴」を創作したのだろう。
 その「田鶴」という名をもつ女性は、津本陽の「龍馬」では竜馬の義母伊予の実家、川島家の娘という設定となっている。

 歴史小説や歴史ドラマはこのように虚実ないまぜにして作品を作り上げていくのであるが、流れに不自然を感じさせているようでは一流の仕事とはいえない。この点、司馬遼太郎の芸達者ぶりには感心させられるのである。。

 「汗血千里駒」では龍馬暗殺を新撰組としている。「龍馬伝」は坂崎紫瀾が岩崎弥太郎に取材をしたところから始まる。「龍馬伝」における福山龍馬暗殺実行犯を誰にするのか、注目したいところだ。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
「汗血千里駒」読みたいと思っていたので
参考になりました。
Barba
2010/08/24 09:17
坂崎紫瀾 タコ部屋から/BIGLOBEウェブリブログ
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